第47章 極使天馬vs爆鬼
「だてに……副総長……じゃないな、お前。」
垂れた髪をかきあげる。
「まぁ……な。」
「でも……負けられねぇんだッ!!」
腫れた目蓋で晴山を睨み付けながら走る。
「俺も……。」
晴山も。
そして、何度も殴りあった。
もう、限界なんてとっくに越えている。
今あるのは仲間と彼女を思う気持ちが彼を動かしていた。
本当は好きって言いたい。
だけど、やっぱり親友とはずっと親友でいたい。
だから、側で見守るって決めた。
でも、自分も彼女を守りたい。
親友の大事な人だから―――
最後の力を振り絞って拳を振り上げる。
晴山も拳を上げた。
「うおぉぉお!!」
バキッ―――
お互いの拳が頬に入る。
ヤバい倒れそうだ。
彼はふらつく足を必死に力を入れて押さえた。
ドサッ―――
すると音がした。
ふと見れば、相手が倒れている。
勝った―――
彼は崩れ落ちた。