第47章 極使天馬vs爆鬼
「……だから?勝てもしねぇ癖に、威張ってんじゃねーよ。つか、助ける?笑わせんな。お前殺って、女もヤって、金もらうんだからさ。さっさと死んでくれる?」
「あ?」
「だから、死ねって言ってんだろうがッ!!」
シュッ――
バシィッ―――
「ぐっ―――」
辰川の回し蹴りが脇腹にめり込む。
重い。
骨まで響いているようだ。
「うざいんだよ、さっさと倒れろ!!」
バキッ――
バコッ――
バコッ―――
辰川の拳を腕で受け止めている。
バコッ――
「――っ……。」
そして、機会を狙って腹に拳を入れる。
「うざいって言ってんだろうがあぁぁああッ!!」
辰川が彼の胸ぐらを掴んだ。
シュッ―――
彼の体が宙に浮く。
グシャアッ―――
地面に叩きつけられた。
「ハァハァハァハァ………。」
彼の胸が大きく動いている。
爆鬼の兵隊達との裏道での喧嘩や先程の争いが尾を引いているらしい。
「雑魚が!!死ね死ね死ね死ね―――」
グシャッ―――
グシャッ―――
グシャッ―――
辰川が何度も彼を蹴飛ばしている。
彼は丸くなって蹴りを防いでいる。
「やめて、やめてお願いッ!!」
彼の元に近寄ろうと足を動かした。
「姉御ッ!!」
しかし、誰かに制された。
振り向く。
すると、そこにはアザだらけの勇人が。
「縄外してやるから、待って。」
勇人君があたしの腕に巻き付いてる縄に触れた。
「クソガキがァ、だからガキは嫌いなんだよッ!!」
蹴るのを止めた辰川が此方に向かって走ってくる。
「姉御下がってて。」
勇人君が近くに落ちていた鉄パイプを拾った。
「勇人君、やめ――」
「姉御は俺が守るんだッ!!俺を助けてくれた――地獄から救ってくれたからッ――」
彼の手が震えている。
恐いんだきっと。
あたし、こんな小さな子からも守られてる。
こんなのダメだ。
「勇人君、逃げて!!」
あたしは勇人君の前に立った。
この子を守るのはあたしだ。
「死ねェッ!!ガキィッ!!」
辰川の拳が上がった。