第47章 極使天馬vs爆鬼
シュッ―――
誠也君の拳が宙を切る。
辰川は糸も簡単によけた。
バコッ―バコッ―バコッ―バコッ―――
バコンッ――
そして、辰川は拳を何度も誠也君の腹に入れた。
「ぐっ――ぶはぁっ――」
「誠也君ッ!!」
彼が血を吐き出した。
ガシッ―――
「バカじゃん、勝てると思ってんの?」
彼の髪を辰川が掴む。
「ボクシング、空手、柔道、全部やってきた――」
「――るせェッ!!」
バコンッ―――
「かはっ――」
誠也君の拳が辰川の下顎にめり込む。
辰川の顔が上を向いた。
吹き出す血と共に。
手から髪が離れる。
地面に火のついた煙草が落ちた。
ザッ――
「何をやってきたかとか、んなもん知るかよ。…ようは勝ちゃあいいんだろ?喧嘩ってのは。」
煙草を踏み潰しながら辰川を睨み付けた。
垂れた前髪から見える目が光ってる。
「桜、心配すんな。…俺が助けてやるから。」
血塗れの彼は、あたしを見るとニィっと笑った。