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レッテル 1

第5章 出逢い




「落ち着いた?」

あたしはコクリと頷いた。

「せっかくの可愛い顔が台無しだね。」

先輩がハンカチで涙を拭ってくれた。

「…せ…んぱい。」

あたしは先輩を見上げた。

あたしよりも高い背。

秋本先輩も高かったな。

だめだ。

あたし、目の前に望月先輩がいるのに秋本先輩の事ばかり考えてる。

「そんな顔しないで…我慢出来なくなる。」

「…え?」

「なんでもない。…さぁ、行こうか。」

先輩は笑った。












「こんな場所あったんだ…。」

先輩について行くと、体育館の地下部屋に連れて来られた。

「うん。誰も使ってない部屋でね、もったいないと思って先生に頼んだんだ。」

「へぇ。」

「それにここなら何をしても誰も来ないしね。」

そう言って先輩はドアを開けた。

「え?それどういう…―――。」

「朝日ちゃーん、いらっしゃーい。」

あたしの声は男の声に遮られた。






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