第46章 守りたいという名の勇気
「来るなァッ!!寄らないでッ!!あっちに行ってッ!!」
ドスドスドス―――
ズボンと下着を下ろした辰川が近寄ってくる。
キモチワルイキモチワルイキモチワルイ―――
吐き気がする。
顔を反らして見ないようにするが、彼を近付けまいとして足で抵抗する際、素足に当たる何とも言えない感触に鳥肌が立つ。
口では表現したくないモノが目の前に迫ってくる。
それがどれ程苦痛なのか辰川(かれ)は分かっていないだろう。
「なんで?美味しいよ?イチゴ味だからさァ。」
ニコニコと笑っている。
それでさえも、気持ち悪い。
「じゃあ、チューは?」
「絶対にイヤッ!!」
ハムスターのように頬を膨らます。
「なんか、それ可愛い。興奮しちゃった。」
そう言って、自分のモノを近付けてくる。
「気持ち悪いッ!!」
足で払い除けると、立ち上がって走った。
もしかしたら、逃げれるかもしれない。
そう思いながら一生懸命走る。
「お姫様、捕まえてェ。捕まえたヤツには…な・ん・と俺の次にヤらしたげる。」
ズボンを履きベルトをはめた辰川があたしの背中を指差した。