第46章 守りたいという名の勇気
ガシャンッ―――
「………ひっ……。」
辰川があたしの真横のゲーム機を殴った。
一気に画面が割れる。
あたしは悲鳴を上げそうになった。
タラリと額から汗が流れる。
「君達ナメてんの?死にたい?」
にっこりと笑っている。
「つっても、無理なもんは無理だろ。」
松田が頭を掻いた。
「なら、俺にまかせてみ?」
坂井がクレーンゲームから離れてあたしの目の前に来た。
「俺の為に笑って?」
あたしの顔に手を添える。
キモい。
ガブッ―――
「イタッ――」
「キャー!!なんなのよこの女!!マサ君大丈夫!?」
あたしは、坂井の指を噛んだ。
女達が騒いでいる。
うるさい。
あたしは顔を反らした。
「やれやれ、強情なお嬢さんだ。」
坂井は笑った。