第46章 守りたいという名の勇気
「どこに行くか言ってたかッ!?」
「隣町の…レインボーっていう、ゲームセンター。」
「わかった。勇人、お前は家にいろ。」
「……イヤだッ!!」
家に運ぼうと思い手を伸ばすと、勇人が叫んだ。
「勇人ッ!!」
「…俺も…姉御を助けたい…守れなかった…から――。」
唇を噛み締めながら、必死に溢れてくる涙を堪えている。
男と言っても、まだ小学四年。
恐かったに違いない。
「………。」
俺は返事を出来ずにいた。
仮に連れていって、万が一の事が起きても守る事が出来るかも分からない。
かといって、このまま家に置いとくのも不安だ。
「…頼む、兄貴……おねがいします。」
ユラユラと起き上がった勇人が頭を下げた。
「………わかった。その代わり俺から離れんじゃねーぞ?」
俺は立ち上がって勇人を見下ろした。