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レッテル 1

第46章 守りたいという名の勇気




「ふぁ―、そろそろ飽きてきた。」

ドコッ―――

「グフッ――」

ドサッ―――

「勇人君ッ!!」

辰川が勇人君の腹に蹴りを入れた。
勇人君が地面に崩れ落ちる。
あたしは勇人君に駆け寄ろうとしたが、男の腕のせいで進めない。
「どうしたのっかなァ?」

ドスッ―――

「立たないのォ?」

バコッ―――

「ギブ?」

グシャッ―――

「あがッ―――」

次々と勇人君を蹴飛ばして頭を踏み潰している。

「やめて!!やめて――勇人君ッ!!」

「や……やめない!!俺が…姉御を守るんだッ!!男っつうもんは女を守るもんだろッ!?」

辰川が勇人君の頭から足を離すと、勇人君がユラユラと立ち上がった。
口から垂れる血を手で拭う。

「あ……。」

彼だ。
彼が目の前にいるようだ。

「早く帰ってきて―――」

「かっこいいこというね。でも――」

辰川が手を上げた。

「誠也君ッ!!」

「バイバイ。」

あたしと辰川の声が重なった。




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