第46章 守りたいという名の勇気
「うぉぉぉおお!!」
そう考えていると、勇人君が辰川に向かって殴りかかった。
シュ――
「ハズレ。」
しかし、辰川はいとも簡単に避けた。
「うるせぇッ!!」
反対側の拳で腹を狙う。
シュッ―――
また、簡単に避けられた。
「無理に決まってんだろうが…。」
男が呟いた。
「殴りかた教えてやろうか?」
「黙れッ!!」
シュッ―――
シュッ―――
シュッ―――
次から次へと勇人君は殴りかかるが全部避けられている。
体格もそうだが、やはり経験にも差がありすぎる。
「やめて!!勇人君!!」
あたしは叫んだ。
「クソッ!!クソッ!!」
けれど、彼は聞いていない。
周りが見えていないようだ。