第45章 忍び寄る魔の手
カチャ―――
ドアを開ける音がした。
「あれ?いないじゃん。」
声が間近で聞こえてきた。
よかった―――
ホッと胸を撫で下ろす。
しかし、気は抜けない。
まだ、奴等が帰ったわけではないから。
ダン―ダン―ダン―ダン――
ブーツの底が地面を蹴っている。
「同棲してんのかなァ?」
「は?」
「荷物があるからァ。」
ベッドの隙間から見ると、辰川があたしのスーツケースをしゃがんで見ていた。
「あるかニャ。」
「なにが?」
「透け透けメラメラのパンチュ。」
「さて…いねぇみてぇだし、隣行くか。」
辰川の言葉をもう一人の男が華麗にスルーしてる。