第45章 忍び寄る魔の手
ドクドクドクドク―――
心臓が高なる。
ベッドから飛び出て、窓を少し開けて外を確認する。
誰もいない。
あたしは少し安心した。
それにしても、なぜ奴があたしの番号を?
いつの間に――
恐怖を抱く。
そっと窓を閉めるとソファーで踞った
奴が来るかもしれない。
クッションで頭を隠す。
誠也君、なにしてるの?
早く帰ってきて。
プルプルと生まれたての子馬の様に身体を震わした。
「はぁはぁはぁ――。」
呼吸が乱れる。
あぁ、電話がかかる前に戻りたい。
寝惚けていなければ絶対に教えていないのに。
そう思っていると、遠くの方でバイクの音がした。