第45章 忍び寄る魔の手
あれから20分後。
変な夢を見た。
ふぃろくんって誰だろう。
………ヒロ君?
聞き覚えがない……あっ!!
バサッ――
あたしは勢いよく起き上がった。
「うーん、姉御ォ……。」
隣で勇人君が気持ちよさそうに眠っている。
彼に布団をかけてあげると、あたしは携帯を手に取った。
着信履歴を確認する。
一番上に知らない番号が。
彼の方を見る。
しかし、布団はもぬけの殻。
あたしは嫌な予感がした。
寝惚けてとんでもない事をしてしまった様な気がする。
て言うか、ヒロ君って誰!?
頭の中で記憶を呼び覚ます。
ヒロヒロヒロヒロ…―――弘敏!?
「辰川!!」
ゾクゾクゾクゾク――
全身に悪寒が走った。
最悪だ。
もし、本当に彼ならとんでもない事をした。
そうだ、彼に電話しよう。
プルルルル――プルルルル――
呼び出しがなるが、待てど待てども彼は出ない。
仕方なく電話を切った。