第45章 忍び寄る魔の手
「吉光って所の青い屋根の倉庫のあるお家だって。」
電話を切った辰川がニコニコ笑っている。
「なんで…番号を――」
「ん?電車で痴漢しながら桜の携帯触ったからァ。ヒロ君スゴイ?」
頬に指を当てながら、まだ笑っている。
「…俺は絶対、お前を敵にまわしたくねぇ。」
晴山が頭を掻いた。
「気持ちよかったよ?お尻。」
「いや、そっちじゃねーで。」
「(ピー(自主規制))の事?」
「もういい。」
呆れた顔でため息を吐いた。
「もっかいさわりたいなぁ…今度は胸も。」
辰川がバイクの上ではしゃいでいる。
「はいはい。」
そう言いながら、晴山がバイクに跨がった。
「でも、ノブちんには触らしてあげなーい。」
「はぁ?」
「一人でヤっちゃうもんねー。」
辰川もバイクに跨がった。
「吉光へレッツゴー!!」
キュルルルル――――
ヴォンヴォンヴォン―――
バイクが二台走り出した。