第45章 忍び寄る魔の手
ブーブー
「んぅ………。」
夜中。
枕元に置いてあった携帯が鳴り始めた。
寝惚けていたあたしは、画面を見ずに電話に出た。
「もしも――」
「もっしー、俺だよ……桜。」
聞き覚えのあるようなないような声が聞こえてきた。
でも、頭が回らない。
「んぅ………せやくん?」
普通に考えればあり得ない。
けど睡魔が勝って思考回路が異常をきたしている。
「せや?あぁ、アッキー…違うよ。ヒロ君でぇーす。」
「……ふぃろくん?」
「ヒロ君。」
「……ふぃろくん。」
「もういいよ、それで。」
笑い声が聞こえてくる。
「う……む……」
「あのね、おうちどこ?」
「……おうち?」
「そう。」
「……あほい……やね……そーこ……ある…―――。」
「どこの?」
「よ……し…み……つ……スースー。」
そこで記憶が途切れた。
自分が何をしでかしたかも知らずに――