第5章 出逢い
「ごめん、ちょっとトイレに行ってくる。」
先輩はあたしを放すと教室を出ていった。
しーんと静まる教室。
なんだかドキドキする。
「先輩…。」
あたしは無意識に窓際の後ろから2番目の席に座った。
無造作に入れられた教科書やプリントがはみ出している。
それに机の上は落書きだらけ。
いかにも男らしくて思わずわらってしまった。
それからあたしは机の上にあったシャーペンを手にとった。
そして左上の空いてるスベースに落書きした。
『先輩、好きです。2の2 朝日桜』
あたしはペンを置くとうつ伏せになって窓の外を見た。
「あ………。」
そからはいつもの屋上が見えた。
「先輩に…逢いたい…。」
あたしは瞼が重くなるのを感じた。