第5章 出逢い
「先輩…あたし…。」
望月先輩が唇を離すと、あたしは口を開いた。
言わなきゃ。
このままじゃダメだ。
「好きな人いるんです。だから…先輩とは付き合えない。」
あたしは望月先輩の目をしっかりと見た。
「…そっか。」
望月先輩はしばらく考えて呟いた。
そしてあたしを放した。
「……しかたないね。」
そう言いつつも、辛そうにあたしを見ている。
「ごめんなさい。」
あたしは頭を下げた。
「謝らないで。余計つらくなる…。」
「でも…」
「なら、ひとつだけ最後のお願い聞いてくれる?」
「え?」
「明日のお別れかいに来て?その間だけでも一緒に居させて…。」
先輩はあたしを抱き締めた。