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レッテル 1
第43章 女顔の男
「わかった?」
ニコニコと笑って首を傾げた。
それが、乗客も男達も恐ろしく感じた。
「あとさぁ、お金もうちょっと持ち歩いたら?」
そう言った彼の手に財布が三つある。
「お…俺の――いつの間に!?」
男達がポケットをまさぐっている。
「まぁ、とりあえず…これで許したげる。」
辰川は財布から千円札を五枚抜き取ると、財布を投げ捨てた。
プシュー
すると、丁度駅に止まった電車のドアが開いた。
「皆さん、お騒がせしましたァ。」
ペコペコと頭を下げると辰川は電車を降りた。
笑顔と共に。
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