• テキストサイズ

レッテル 1

第43章 女顔の男




「あぁ、俺だけど。」

二人が電車を降りた後、辰川は携帯を取りだし電話した。

「まぁ、暇潰しにはなりそうだし、昨日の話オーケーしてもいいよ。」
クスリと笑い金色の髪を指先で弄る。

「そんかわり、十万ね。」

足をブラブラと揺らしだした。
前に立っている人がそこを避ける。

「は?お前の身体で?…マジ、そういう冗談やめてくれる?……殺すよ?」

低く言った。
ニコニコと笑っているが目は笑っていない。

「わかったかニャ?じゃあ、そういう事だから十万よろしくね。」

そう言うと、辰川は電話をきった。

「十万入って、暇潰し出来て、女ヤれるとか一石三鳥だなぁ。」

子供みたいに身体を揺らしている。
そんな彼を、周りの男達はチラチラと見ていた。
好意のある目で。

「おい、姉ちゃん。俺等と一緒に遊ばねぇ?」

チャラチャラとした身なりの男達が彼を囲んだ。

「えー、俺?」

「そうそう。」

「んー、いいけど…いくらくれんの?」

「は?」

「金だよ。いくらくれんの?」

辰川が指で円を作っている。



/ 1026ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp