• テキストサイズ

レッテル 1

第43章 女顔の男




「あのさ…。」

改札口を出た後、学生の群の中を歩きながら呟いた。

あれは、ニュースでよく見る"痴漢"というものだろうか。

それにしても可愛い人だった。
そういえば制服を着ていた。
あれは―――

「どうした?」

続きの言葉が喉に詰まって出てこないあたしを、不思議そうに彼が見ている。

「え?…あ…なんでもない。」

結局、誤魔化した。

言えないよ…痴漢なんて。

鞄を握る手に力が入る。

「そっか。」

彼が頭を撫でた。
なんだか、少し落ち着いた。






/ 1026ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp