第42章 チビと発熱にはご用心
「スー…スー…。」
穏やかな顔をした彼女が俺の横で眠っている。
額を触れば、熱は下がっていた。
汗をかいたからだろうか。
先程の行為を思い出すと、顔が熱をもった。
競争率が高かったが、彼女と付き合えたのは奇跡だと思ってる。
女経験もない、ガキの頃は周りから避けられて拓しか友達と呼べる友達はいなかった。
中学に入って今の仲間とも出会えたけど、人を好きになること、それどころか、好きになってもらう方法もしらない俺が恋愛だなんて無謀だったんだ。
でも、諦められなかった。
望月と付き合い始めた時も。
ずっと、写真眺めてた。
中二の時に廊下の掲示板で見つけた、眩しい笑顔の彼女の写真を。
最初は眺めているだけ。
でも気付けば手の中にあった。
彼女の所だけ切り抜いて。
そういや、あの写真どこいったっけ。
付き合って浮かれてて、すっかり忘れてた。
今さら、見つけようがないが、出来る事なら見つけたい。
散らばった服を片付け、下着を履き、黒のフード付きのジャージを着た。
そして、彼女に服を着せ部屋を出た。