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レッテル 1

第42章 チビと発熱にはご用心



バンッ―――

「どうした!?」

勢いよくドアを開けて中を見ると彼女がベットから落ちていた。
痛そうに額を押さえている。

「トイレ行こうと思ったら…落ちて頭打ったぁ。」

涙目で彼女がこちらを見ている。

ゴクリ―――

思わず息を飲む。
はだけたパジャマも、桃色の頬も、ふっくらとした唇も、潤った瞳も何もかもが俺を誘っているかのようだ。

ムクムクムク――

やばい。
息子が反応している。
彼女に。
いや、彼女にしか反応しないけれど――
というか、今はそれどころじゃない。
彼女を起こさないと。
俺は彼女の側によった。

「大丈夫か?」

彼女を起こす。

「ありがと。」

そう言った彼女の目が一瞬下を向いた。
そして、顔を反らされた。

最悪だ。

"あたしが風邪引いてきつい時に、この人はスケベなこと考えてる。最低。"

そう思われてるに違いない。

いや、考えてないと言えば嘘になる。
頭の八割は彼女を抱きたい。
けれど残りの二割でなんとか堪えている。

そんなことを考えていると彼女の手が俺の手に触れた。

「…いいよ。」

彼女の小さな口から小さく言葉が出た。

「……は?」

頭が回らない。

「いいよ…しても。」

虚ろな目が俺を捉えた。


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