第42章 チビと発熱にはご用心
「大人しくしとけよ。」
家に帰るとパジャマに着替えてベットに寝かされた。
額に熱冷ましシートを貼られ、頭の下には水枕を置かれた。
「…うん。」
彼がぼやけて見える。
呼吸も乱れる。
「せ…いや…くん。」
部屋を出ていこうとする彼を呼び止めた。
「どうした?」
彼が振り向く。
「さみし…コホコホッ…から…ここに…いて?」
出せる声を出した。
彼は一度頭を掻くと、分かったと言った。
そして、こちらに近寄ってくる。
なぜ、風邪をひいた時は人が恋しくなるのだろう。
彼がギュッと手を握って頭を撫でてくれた。
嬉しくて笑ってしまう。
「はやく、よくなれよ。」
そう言って彼が口付ける。
唇に。
「うん…。」
そして、眠りに着いた。