第42章 チビと発熱にはご用心
電車に揺られて二十分弱。
ようやく、降りる駅に着いた。
乗ってる間、ずっと彼の肩に頭を乗せていた。
向かいの大学生のカップルが、ジッとこちらを見てヒソヒソ言っていたが、まぁ気にならなかった。
というよりも、先程から頭の中で鐘が鳴っている。
痛い。
フラフラと彼の腕に身を寄せながら電車を降りた。
あれ、こんなに階段長かったっけ?
ホームから改札口に行く途中、そんなことを考えながら降りていた。
足が重い。
息が乱れる。
「大丈夫かよ?」
彼があたしの額に手を触れた。
「バカ!!熱あんじゃねぇか!!」
彼が怒鳴った。
あーあ、バレちゃった。
「…なんで早く言わねぇんだよ。」
彼がそう言うと、あたしの足が地面から離れた。
あれ浮いてる?
あたし、魔法使える?
あの有名なホグ○○ツに行ってハ○ー・ポ○○―に会える!?
んなわけない。
彼があたしを抱えているのだ。
お姫様抱っこで。
「ちょ、誠也君!?」
あたしは戸惑った。
というより、周りからの生暖かい視線が気になる。
恥ずかしい。
あたしは彼の胸に顔を埋めた。