第41章 放たれる銃弾
今。
校舎の裏で、麻央達と笠井達が睨み合っている。
「あんた、さくちんに水をかけやがってただじゃおかないよ!!」
麻央が腕を組んで笠井を睨み付けた。
「はぁ?汚いから綺麗にしてやったんだよ!!」
笠井の金髪の髪が揺れる。
「お前、自分の顔見てみたら?さくちんと天と地程のさがあるし。」
早苗が笑った。
「はぁ?こう見えてもあたしモテるし。」
笠井がゴリラみたいな顔で言った。
「はぁ!!」
思わず笑ってしまった。
麻央も千加も美奈子も早苗も笑っている。
「誰に?」
美奈子がお腹を押さえている。
「めっちゃ恐い不良。」
笠井が勝ち誇った顔で言った。
「ふーん、さくちんの彼氏の方がすごいし。」
「は?」
「だって…あの人だから。」
麻央が笠井達の後ろを指差した。
「はぁ?」
笠井達が振り向く。
そこには、誠也君達が歩いていた。
「大川せんぱーい。」
千加がハートを飛ばしている。
先輩達がこちらに気づいた。
ゆっくりこちらに近づいてくる。
「なんしよん?…あ、さっきのブス共。」
傷だらけの三善先輩が笠井達を指差した。
「知り合い?」
西村先輩が三善先輩を見た。
「全然。ただ、さっきバケツで桜ちゃんに水かけてた。」
「あ?」
誠也君の目が光った。
「だから、コイツらが桜ちゃんに水かけたの!!さっきも言ったじゃん!!俺濡れ衣だって!!」
「桜、ホントなんか?」
誠也君がこちらを見た。
目が恐い。
「え…と……。」
本当のことを言うべきだろうか。
けど、笠井達を助ける義理もない。
「ホントだって!!」
三善先輩が必死に訴えている。
「お前は黙ってろ。ホントか?この、妖怪…いや、化け物共が水かけたんか?」
「化け物ですって!?」
笠井達が騒ぎ始めた。
「だから…外野は黙ってろ!!殺すぞ?」
そう言った彼の目は本気だ。
笠井達が後ずさる。
「桜、ホントのこと言え。かけられたんか?」
「……うん。」
あたしは小さく答えた。
「お前等…水持ってこい!!」
「おう。」
誠也君が叫ぶと、先輩達が走っていった。
麻央達が首を傾げている。