第41章 放たれる銃弾
3時間前。
日本料理屋 "涼風"
「では、それでよろしくお願いします。」
宗次郎は豪華な料理の乗ったテーブルの向かいに座る男に頭を下げた。
韓国語で。
「いえ、こちらこそ。」
相手も韓国語で返してくる。
茶髪で顔の右側に大きな傷のある男だ。
名前は"ハン・ジオク"。
韓国マフィア"ヨンシム"派のアンダーボス(若頭)だ。
相手側も宗次郎側も護衛が付き添われている。
しかし、何事もなく、良い方向で会合は終わった。
「では、失礼する。」
ハンはそう言うと、部下達と部屋を出ていった
宗次郎も立ち上がると無言で部屋を出る。
沿うように、護衛がついてくる。
「待て。」
綺麗な日本庭園の沿うように続く廊下で、宗次郎が口を開いた。
「伏せろ!!」
「え?」
「はやく!!」
そう言って、彼は無理やり部下達を伏せさせた。
パァン―――
その瞬間銃声が鳴り響いた。
弾が襖を突き破る。
「きゃあぁぁぁああ!!」
女の叫び声が響いた。
「わかがし!!」
彼を庇うように護衛が立ち、取り出した銃を放つ
パァン――
パァン――
パァン――
乾いた音が鳴り響く。
手応えがあったかどうかは分からない
バンッ――
宗次郎は襖を開けた。
すると、後頭部を撃たれた男が料理に顔を埋めている。
「行くぞ。」
これ以上、民間人を巻き込まないように店を出た。