第41章 放たれる銃弾
面倒臭い事は向こうからやって来るものだ。
「朝日さん、今日一緒に帰らない?」
友達と別れて教室を出ると、後ろから誰かに声をかけられた。
振り向くと、佐々木君がいた。
なぜ全く関わりのない彼が?
また、面倒臭い事になる。
あたしは顔をひきつらせた。
「ダメかな?」
誠也君くらいの背の彼が頭を掻いた。
「…ごめん、一緒に帰る人いるから。」
そう言って背を向けようとした。
「待って。」
腕を掴まれた。
「よかったら番号だけでも教えて?」
笑いながら首を傾げている。
さすがにやめてとは言えない。
「なんしよん、お前?」
松崎君登場。
「桜、帰るぞ。」
誠也君まで来た。
最悪だ。
最悪なパターンだ。
あたしは、ゆっくり振り向いた。