第5章 出逢い
「また…お前かよ。今度は落ちるなよ。」
また今日もサボって屋上にきた。
すると先着がいた。
「秋本先輩…。」
あたしは先輩の横に座った。
屋上に来ると毎回先輩に会う。
そして毎度同じことを言われる。
もうなれた。
「望月(もちづき)と付き合うことになったんだって?」
煙草を吸いながら言った。
「え?」
なんでしってるの?
「あいつはやめとけ。」
先輩は煙草をもみ消した。
「は?」
「あいつはやめて俺にしとけ。
そう言って先輩が近づいてきた。
「え?」
彼の唇が近づきそうになる。
あと少しで…
「わりぃ………なんでもねぇ。」
そう言って彼はあたしから離れた
あたしは頬に熱を帯びるのを感じた。
「冗談だ。」
先輩はあたしの髪をクシャクシャとかきみだした。