第41章 放たれる銃弾
佐々木君は、顔も整っているし勉強も出来てスポーツも出来て完璧なんだろうけど、あたしは彼に興味はない。
だって、誠也君がいるし、もし佐々木君が気になると言った日には彼がどんな風になるか想像しただけでも身震いする。
それに、イケメンだとかそういうものには興味無い。
やっぱり、男は顔じゃなくて性格だ。
自分が居たいと思う人と一緒に居たい。
ずっと。
あたしは足元に転がってきたボールを拾った。
「朝日さんごめん。」
ボールを拾うと、体育用の大きなスニーカーが見えた。
ふと顔を上げた。
「あ…。」
黒髪の人がこちらを見下ろしている。
佐々木君だ。
「ボールちょうだい?」
ボールを持ってボーッとしていたあたしに佐々木君は笑顔で言った。
「あ、ごめん。」
あたしは立ち上がると、手の中のボールを渡した。
「ありがとう。」
彼はボールを受けとると元の場所に戻って行った。