第40章 回収野郎
「わっ…若い兄ちゃんがいつも持ってきてくれるんよ。」
先程とうって変わって怯えた表情で女は加藤を見ていた。
「誰にや!?」
更に腕に力が入る。
「さ…さかし―――」
ドサッ―――
女が言い終わる前に加藤は走った。
階段を尋常じゃないスピードで降りて行く。
そして、ゴミ山間を走り抜けた。
しかし、馬場団地の入り口まできたが坂下はいなかった。
もしかしたら、坂下(あいつ)は過ちを犯してるのかもしれない。
上の連中にバレる前に過ちを正さなければならない。
あいつの為に。
その一心で、あらゆる所を探し続けた。