第40章 回収野郎
ドンドンドン―――
「おい、回収日やで!!開けんかい!!」
ドアを激しく叩く。
「はいはい。」
カチャ――
いつもと違ってすんなりドアが開いた。
先程の女が出てくる。
取り立てなのに笑顔で。
「はよ、金出し。」
「わかってるよ。はい、コレ。」
加藤が手を出すと、茶色い封筒が渡される。
先程、坂下が女に渡していた物と同じ封筒だ。
「これで借金もチャラでしょ?」
女がニコニコと笑っている。
「オバハン、どないしたんやこの金?」
ドスの効いた声で言うと、加藤は女を睨み付けた。
「臨時収入が入ったんよ。」
未だにニコニコしている。
「ホントの事言わんかい!!クソババアッ!!」
加藤の声が辺りに響いた。
女の胸ぐらを強く掴む。