第40章 回収野郎
「坂下さんどうなったんスか?」
牛乳を飲み終わった建一が、潰れたパックを放った。
弧を描くように綺麗にゴミ箱に入った。
「まぁ、いろいろあってな。」
そう言って最後の一口を口に入れた。
「いろいろって?」
「……本当はあんま思い出したくないねん。」
「………。」
うつむいてコーヒー牛乳を飲む彼を見て、建一は口を閉じた。
目の前を三輪車を乗った子供が通りすぎていく。
その後を母親が追いかけていた。
建一はそれを眺めていた。
「……最後の坂下の顔忘れられんわ。」
加藤が重たい口を開いた。