第40章 回収野郎
「なっなんやコレ……。」
二人は目を見開いた。
目を見開いた男と女と子供が天井からぶら下がっている。
首に紐を掛けて。
夏の暑さで人肉が腐っている。
辺りには尿や汚物が散らばって目を瞑りたくなるような光景が目の前に広がっていた。
臭いの原因はコレだ。
思わず二人はその場で吐いた。
「死におったわ。」
部屋の外に出て、口を拭う。
一家心中だ。
本当に嫌なものを見た。
この仕事をしていればいつかは出くわすとは思ってはいたが、この時期に出会うとは最悪だ。
当分、ご飯も喉を通りそうにない。
加藤はチラリと坂下を見た。
坂下は目を見開いて震えていた。
夏なのに寒気を催している。
どうしようもなく、加藤は携帯を取り出した。