第40章 回収野郎
「ここや。」
催促の手紙が詰まった郵便受けのある扉の前に二人は立った。
18号室と書いてある。
ドンドンドン―――
「中村さん!!今日回収日やで!!開けんかい!!」
ドアを叩きながら叫ぶ。
「…………。」
しかし、返答がない。
「回収日やでー!!開けんかい!!」
再び叫ぶ。
「………。」
返答無し。
「留守か?」
坂下がドアノブに手をかけた。
カチャ――
ドアが開いた。
「おるやん……うわっ!!なんやねんこの臭い!!」
外のゴミ達よりも更に酷いムワッとした臭いが鼻を突き刺した。
例えるなら、肉を何ヵ月も放置したような腐蝕臭。
夏の暑さが更にかび臭さもプラスしていた。
それに、奥の部屋で何かがぶら下がっている。
靴のまま二人は中へ入った。