• テキストサイズ

レッテル 1

第40章 回収野郎




「ケン。」

昼過ぎ。
公園のベンチでパンをかじりながら加藤が口を開いた。
小さな子供連れの奥様方がそこを避けている。
昼休憩の営業マンも足を翻した。

「なんスか?」

牛乳の小さいパックの先がつぶれたストローを口から放すと、建一は加藤を見た。
彼はストローを噛む癖がある。

「絶対に回収相手に情けかけたらアカンで?」

「急にどうしたんスか?」

「いや、昔ワシがまだ下積みやった頃、仲の良い同期の奴がおったんや。そいつ"坂下"ちゅう名前の優しい男やった。極道向いとらんでな、しょっちゅう兄貴に怒られとったわ。」

「はぁ…?」

建一は牛乳を啜る。

「あれは俺が16の時や―――」




/ 1026ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp