第37章 僅かな希望
「マスター、本当だ。」
突然後ろから声がした。
俺達は振り向く。
「宗次郎。」
男が呟いた。
入口の所で黒いスーツを着た宗次郎がいた。
「He is Sojiro!!(宗次郎だ!!)」
また、客が騒ぎ始めた。
「久しぶりだなマスター。」
此方に向かって歩いてくる。
「あぁ。」
「こいつらに教えてやってくれ。Mr. Mitikiyo's daughter reviewed.(道清さんの娘がさらわれたんだ)」
「If it is what?(なんだと?)……わかった。」
男は返事をすると紙に何かを書き出した。
「ここに行け。ここでよく出入りしている所を目撃されている。」
そう言って、男は宗次郎に紙を渡した。
「お前達、行くぞ。長居は良くない。それに、お前達は目立ちすぎる。」
「あぁ。」
彼に続いて店を出た。