第37章 僅かな希望
中は外見よりも広かった。
外国の酒場のような造りだ。
それに、昼間だというのに外国人で賑わってる。
「You come.(いらっしゃい)」
奥に進むと、カウンターに初老ぐらいの金髪の白人の男が言った。
「It is a place to which a child comes..
Or is anything business?
(子供がくる所じゃない。
それとも、何か用か?)」
ジロリと男が見た。
何を言ってるのか分からない。
「お前英語しゃべれる?」
「いや、無理。」
後ろを振り向いて聞いてみるも拓以外は首を横に振った。
「I want a white called Ian to teach the hiding place of the foreigner group which is.
(イアンという白人がいる外国人グループのアジトを教えて欲しい。)」
困っていると、黙っていた拓が口を開いた。
口から出てくる意味不明な言葉に俺達は驚いた。
「Watchword?(合言葉は?)」
「Slight hope(わずかな希望)」
「………誰に聞いた。」
カチャ―――
男が突然日本語を話したかと思うと、拳銃を取り出した。
銃口をこちらに向ける。
「The Japanese brat came to carry out what!!
(日本人のガキが何しに来た!!)」
「Kill!!(殺せ!!)」
周りの客が騒ぎ始めた。
ドクドクドク――
心臓が高鳴る。
「岩中…宗次郎さんに。」
拓が応えた。
「嘘をつくな!!」
「嘘じゃない!!本当だ!!」
「黙れ!!」
男が引き金を引いた。
ゴクリ――
息を飲む。
額から汗が垂れた。