第37章 僅かな希望
AM11:48
泥雲街入口。
本当にここは日本なのだろうか。
まるでアメリカのスラムのようだ。
古びた建物が沢山ある。
ゴミも普通に散らばっている。
そして何より、米軍の見張りのような者がちらほらいる。
銃を持って。
宗次郎の言っていた事が理解出来た。
あまり、周りに刺激しないように会話は避けた。
それでなくても、自分達は目立っている。
先程から様々な人種の外国人からの視線を浴びているからだ。
「What, that appearance? Japanese people are crazy too.
(何、あの格好?やっぱり日本人は頭がおかしい。)」
女達が集まってこちらを見て笑っている。
だけど、何を言っているのか分からない。
不快だ。
「Money can be sent.(金よこせ)」
変な外国人が近付いて来たがこれも無視。
どんどん奥へ進んで行く。
しばらく行くと色んな店が建ち並んでいる所に出た。
"グランゼリア"という店を探すが、全部英語で表記されてるのでわからない。
「ここにはない。もっと奥に行こう。」
途方に暮れていると、キョロキョロしていた拓が言った。
とりあえず、親友のいう通り奥に進む。