第35章 地獄
「なに……これ。」
「見ればわかるだろうが、お前はバカか?」
部屋に着くと首に首輪を付けられた。
黒の。
そして、鎖を付けられる。
鎖を目で追えば、彼の手のなかに終着点がある。
「あたし、犬じゃない!!」
「は?雌犬だろ。」
そう言って靴の裏で踏みつけられる。
床に座らせられていたあたしの顔は床に食い込んでいく。
やっぱり、無表情で。
「そういや、お前のせいで銃が汚れた。」
足を退けると、彼は銃を取り出した。
あたしは恐る恐る見上げる。
「舐めろよ、舐めて掃除しろ。」
青い瞳と銃口があたしを見下ろしている。
あたしは彼等を睨み付けた。
絶対に屈するものか。
あたしは、解放されるまで負けない。
「なんだ、その目は?殺すぞ?」
「…殺せばいい。あんたって、なんだか……可哀想な人ね。」
「If it is what?(なんだと?)」
「あなた死んでるみたい……心が。」
「………っ……Become silent!!(黙れ!!)」
パァン―――
銃声が響いた。
軌道が僅かにずれ、弾があたしの髪をくぐり抜ける。
一瞬、彼の眉が下がった。
「shit!!(くそっ!!)」
彼はそう言うと、ベットに座った。
「You understand what my!!(お前に俺の何が分かるんだ!!)」
彼はそう叫ぶと頭を抱えた