第35章 地獄
「……っ…っ……。」
どれくらい泣いていたのか分からない。
涙で時計すら見えない。
涙を拭けないから。
垂れ流すばかり。
「大丈夫デスカ?」
上から声がした。
誰だか視界がぼやけて見えないけど、声色からしてジョンだ。
「It does too much.(やり過ぎ)」
彼がそう呟くとガチャガチャと上から音がした。
手錠は外れてないものの、だいぶ自由になった。
あたしは自由になった手で涙を拭った。
「ついて来テ?シャワー浴びさせてあげル。」
「え?」
「早く、出ないとイアンがまた機嫌が悪くなる。」
そう言うと、彼は部屋の入り口に立った。
あたしは急いでベットを降りると彼の元へ行った。
「Come and wear.(これ着て)」
彼が上着を脱いでかけてくれた。