第35章 地獄
行為が終わった後も、イアンは何も話さなかった。
黙って服を着て部屋を出ていった。
生まれたての赤ん坊のような姿で寝かされ、顔に広がるドロドロとした不快感。
早く解放されたい。
それは叶わないのだろうか。
ずっと天井を眺めていた。
早く彼に会いたい。
今頃何をしているだろうか。
彼が苦しんでいる時に、あたしはまた過ちを犯した。
あたしが悪いんじゃないとしても、これは罪。
決して許されない。
これがイアンの言った"地獄"じゃないとしても、あたしにとっては本当に地獄だ。
それに、まだ心の奥で彼が助けに来てくれると期待してる自分がいる。
本当にあたしってズルい女だなぁ…。
涙が溢れてきた。