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レッテル 1

第35章 地獄




「来い、女。」

着替えたイアンが部屋から出てきた。
でもやっぱり黒だ。

「あたしは…女って名前じゃない!!」

震える声で叫んだ。

「お前の名前なんてどうでもいいんだよ、雌犬の癖に。さっさと来ないと殺すぞ?」

彼は、顔色ひとつ変えずに淡々と応えた。

「嫌だ!!それにこんな足じゃ行けるわけない!!」

ジャラリと足枷が音を立てる。

「She is a stubborn woman.(頑固な女だ。)這ってでも来い、テメェは犬なんだから。」

「は?」

「地べたを這えって言ってんだよ。」

カチャリ――

何かの音がした。
顔を上げて見ると、イアンが銀色の拳銃を持っていた。
銃口をこちらに向けている。

「殺すぞ?さっさと這え。」

「It is impossible. Remove at least fetters at least.(無理だろ。せめて足枷くらい外してやれよ。)」

ジョンがイアンの方を見ていった。

パンッ―――

その瞬間銃声が響く。
けれど痛みはない。

「さっさとこねぇと、次はお前を撃つぞ?」

ジッと彼があたしを見ている。

ジャラリ――

あたしは足を動かした。

アレ――?

足が自由に動く。
不思議に思って足に目を向けると、足枷の鎖が切れていた。

さっきの一発で?

ゴクリ―――

あたしは息を飲んだ。

「はやくしろ。」

そして、彼の元に進んだ。




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