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レッテル 1

第35章 地獄




「ホントは…イイやつなんだヨ。」

デイビットが片言の日本語で言った。
日本語があまり得意ではないらしい。

どこが!?
誘拐したくせに!?

心の中で叫ぶ。

「リトル…時にイロイロあっテネ。」

彼が部屋にあるパソコンの前に座った。

「Although it cannot say(言えないけど)」

そう言うと、パソコンに目を向けた。

「何でこんなことするの?」

なんとか顔を上げて二人を見た。

「It cannot be said, either.(それも言えないんだ。)」

ジョンが煙草を取り出しながら言った。

「デモ…売女の方がよかったカモネ。」

彼等があたしから目を反らした。
その言葉が何を意味するのかあたしに分からない。
けど、良くないことは分かる。
あたしは、顔をソファーに埋めた。

帰りたい。

家に。

彼に会いたい。

涙が出てくる。
誰にも聞かれないように声を噛み殺して泣いた。

「He is pitiful.(可哀想に…)」

誰かが呟いた。



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