第35章 地獄
イアンはジッとあたしを見ていた。
上から、無表情で。
「……何?」
あたしは睨み付けながら呟いた。
「Would you like to become a female dog? Or would you like to become a sale woman? Choose.(雌犬になりたいか?それとも、売女(バイタ)になりたいか?選べ。)」
英語で言った。
言葉が分からない。
「ちっ…雌犬か売女か選べって言ってんだよ。」
ガシッ―――
髪を鷲掴みされた。
顔の目の前で言われる。
息がかかる。
青い瞳も突き刺さる。
「い…やだ!!」
あたしは彼を睨み付けた。
ぷっ―――
唾を吹き掛ける。
イアンの右頬に唾液が付いた。
タラリと垂れる。
「A feces woman!!(クソ女が!!)」
イアンが手を上げた。
「When taking out a hand, even if useless!!(手を出したらダメだって!!)」
その手をジョンが制する。
すると、一瞬イアンの額にシワが寄った。
けれど直ぐに元に戻る。
「shit!!It is good well. You are a female dog from today. You do not have veto.(クソ!!まあいい。お前は今日から雌犬だ。お前に拒否権はねぇ。)」
イアンは手を離すと立ち上がった。
「は?」
「テメェは雌犬ってことだ。地獄を見せてやる。」
そういって、背中を向けた。
「Where does it go?(どこいくんだ?)」
ジョンがイアンを見た。
「Since it became dirty, their clothes are changed.(汚れたから着替える。)」
振り向かずに部屋に入って言った。