第35章 地獄
「え?」
あたしは目を見開く。
「Hey, it is different.(おい、違うだろ。)大丈夫、心配しないデ。俺達のアジトだかラ。」
「ほんとのことだろうがよ。」
「Foolish!!(バカ!!)」
あたしはますます不安になった。
体を横にずらす。
すると、足元に自分の鞄があった。
中の携帯さえ取れれば助けを呼べるのに。
「無駄だぞ。俺達がそんなこと許すと思うか?」
ルームミラー越しにあたしを見ながらイアンが言った。
「まぁ、どっちにしろ誰が来たって無駄だ。」
車が右に曲がった。
パァン―――
「It is late. Foolish monkey(遅い。バカ猿。)」
クラクションを鳴らした。
前の車に老人のマークが付いている。
遅いのが気にくわないようだ。
「shit。(クソッ)」
イアンはそう呟くとハンドルを右に切った。
直ぐに左に切る。
そして、アクセルを強く踏んだ。
スピードメーターが一気に上がる。
「It flies too much.(飛ばしすぎ)」
ジョンが持ち手に掴まっている。
「It is common.(普通だ)」
イアンがハンドルを左に切った。