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レッテル 1

第4章 彼と彼




あたしは最低だ。

誠也君を好きと言いながら松崎君を拒めないでいる。

松崎君の事なんて大嫌い。

なはずだったのに、

彼があたしを好きと言うたびに、

彼に溺れていく。

本来なら捨てられて当然。

あたしが彼等の立場ならとっくに見捨てているだろう。

でも彼等はあたしを見捨てようとはしない。

むしろ好きだと言ってくれる。

そんな彼等をあたしは利用している。

本当はどっちが好きなの?

無口だけど強くて優しい歳上の彼?

意地悪だけどいっしょにいて楽しい同級生の彼?

燃える炎のような赤。

みんなを照す太陽のようなオレンジ。

土のような茶色はそれらに混じれない。

あたしは混じっちゃダメなんだ。

汚しちゃダメなんだ。

彼等を。


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