• テキストサイズ

レッテル 1

第34章 敗北



「Are you a couple?」

後ろから声がした。
聞き覚えのある声。
聞き覚えのある言葉。
嫌な予感がする。
ゆっくりと振り向いた。

「………っ!!。」

悪い予感というものはよく当たるものだ。
振り向けば、時期外れの白いタンクトップを中に着て黒のパーカーを羽織りベージュの綿のズボンを履いたジョンが立っていた。
今日は帽子を被っていない。

「Are you a couple?」

もう一度尋ねてくる。
彼の首にかけられた金のネックレスが光る。

「コイツか…。」

藤崎先輩がジョンを睨み付けた。

「カップルかって聞いてんだヨ。」

不機嫌そうに先輩を見ている。

「NO.」

藤崎先輩はゆっくりと応えた。
額に汗が滲んでいる。

「Too. Because it is a young woman of the man who missed last time(やっぱりな。この前取り逃がした男のお嬢さんだから。)」

「It did what?(それがどうした?)」

先輩も英語で返す。

「It catches. A lion does not miss game.(捕まえる。ライオンは獲物を逃がさない。)」

そう言ってジョンの手があたしに伸びてきた。

「Does it carry out!!(させるか!!)」

藤崎先輩はあたしの手を掴み走った。

「Oh, oh, is it tag?(おやおや、また鬼ごっこか?)」

ジョンは不気味に笑った。


/ 1026ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp