第34章 敗北
「あたし、スーパーで買い物して帰るんで――。」
「いいよ、危ないから俺もついていく。」
「すいません。」
駅で別れようとしたが、親切にも藤崎先輩がついてきてくれた。
近くのスーパーで適当に買い物すると店を出た。
買い物袋を先輩が持ってくれた。
「荷物もってもらってすいません。」
「いいよ、いいよ。気にしないで。」
笑顔で先輩が言った。
ちょっと、人通りが少ない路地に来た。
帰るにはここを通らなくてはならない。
「雨…降りそうだね。」
藤崎先輩が薄黒く曇った空を見上げる。
ゴロゴロ――
お腹を空かした雲のお腹が鳴っている。
そういえば、あたしもお腹が空いた。
夕方だから仕方ない。
あたしと先輩は軽く会話をしながら歩いていた。