第34章 敗北
それから彼は学校も行かずにずっとベットで寝ていた。
昼間彼が何をしているかは分からない。
「誠也どうしたん?電話してもでねーし。」
学校の帰り道、藤崎先輩と一緒になった。
揺られる電車で彼が問う。
「この前―――」
事情を説明する。
すると、藤崎先輩は辛そうな顔をした。
「あいつ……プライド高いからね。」
藤崎先輩は俯いて呟いた。
「逃げた事がよっぽど悔しかったんだろうな。」
「はい。」
「でも、相手が黒人じゃ格が違うし、なにより力が違う。生まれ持った筋力がね…。」
電車が止まった。
降りる駅だ。
あたしと藤崎先輩は電車を降りた。