第4章 彼と彼
「おはぁ。」
翌朝、あたしは誠也君と遅れて学校へ行った。
「おは。あれ?さくちん雰囲気かわった?」
「なんかますます綺麗になった。……あ!!もしかして先輩とヤった?」
美奈子の問いにコクリと応えた。
「マジでぇ!?おめでとー!!」
早苗が嬉しそうに手を叩いた。
「仲直りしたみたいだね。」
席に着くと、吉田君が話かけてきた。
「うん。」
「よかったね。」
「ありがとう。あ…これブレザー、貸してくれてありがとう。助かりました。」
そう言ってあたしは紙袋に入ったブレザーを彼に渡した。
「なにお前、吉田ともヤったわけ?」
「は?」
すると、今まで見たことないような目付きで松崎君が言った。
「アイツともヤって吉田ともヤって俺とはヤらないわけ?」
「何いってるの?」
「来い!!」
松崎君はあたしの腕を強く掴んだ。
「痛い!!」
あたしは彼に引きずられながら教室を出ていった。