第33章 恐怖再来
同時刻―――
PM10:15
ホテル街。
「美樹ちゃーん、俺の身体凄かっただろぉ?」
「やだ、もぅ。声大きいってばぁ。」
チャラい男と化粧の濃い女が派手なホテルから出てきた。
男が女の肩に手をまわしていちゃついている。
「Are you a couple?」
そんな二人に一人の男が話しかけた
その者は、背が高く鍛えられた肉体がが茶色く長いドレッドの髪をひとつに束ねている。
耳や鼻や口にはピアスを。
顎に短い髭を蓄えている。
黒人だ。
「はぁ?なんだテメェ?」
チャラい男が目の前の男を睨み付けた。
「shit。」
黒人はそう呟くとゴキゴキと首をならした。
「…カップルかってきいてんだヨ。」
悠長な日本語で男を見下ろした。
ずいぶんと身長に差がある。
「はぁ?」
「バカは英語もわかんねぇのか?」
「なんだと?俺を誰だと思ってんだ?山代組の――」
バコッ―――
「ふぐっ―――」
「きゃあぁぁぁああ!!」
男が言い終わる前に黒人は男を殴り飛ばした。
女が悲鳴をあげる。